少し先の話になりますが、受験間近になってくると、周りの空気がピリついてくるのがよく分かります。自習室ではいつにも増して、ノートに書く鉛筆の音が耳に入ってきたり、普段仲良くしていた友達もどこか機嫌が悪そうに感じたり。
今回はそんな時によく起こりがちな受験生あるある、「友達の進度や志望校を見て焦る」という現象について、その対処法をお伝えします。
「友達の進度や志望校を見て焦る」現象、その全貌について
自分との学力が僅差な友達とは、この現象がとてもよく起こります。受験が近い冬場にクラスメイトと話していると、自然と話は受験の方に流れてしまいますよね。そして彼らの進度をそれぞれ聞いていると、「今この参考書5周目」だの、「この前の模試の数学、偏差値〇〇だった」といった話を聞くことになります。表面上では笑顔でほめたりするものの、内心穏やかではありません。「自分まだそこまで達してないよ」「その参考書そんなに回したんだ」といった焦りが芽生えてくるはずです。
そして極めつけが、よく校内や塾で起こりがちな「赤本のチラつかせ」。受験が近づくと、どこかから借りてきた赤本の表紙を外から見えるように持って闊歩している受験生の姿をよく見かけるようになります。相手が友達だろうが赤の他人だろうが、その赤本が有名大学のものともなればなおさら焦りは最高潮に。見ても良い影響はないのも内心ではわかっていますが、それでも塾で隣になった人の赤本を、つい見てしまったりなど、歯止めがきかないのもまた事実です。
極論「志望するだけならば誰でもできる」で乗り切れ
この焦りに対処する方法は、やはり「割り切る」ことです。友達との話で凄い大学の名前が出てきたとしても、「ああ、あの人はそこ受けるんだ」くらいに留めておくのがよいでしょう。
しかし、そう割り切ることがどれだけ難しいか、私もよく理解しています。そこで必要となる考え方が、「志望するだけならば誰でもできる」ということです。この考えがあればこの焦りには対処できることでしょう。どこを志望大学に選ぼうが、受かる人は受かるし、落ちる人は落ちます。どんなにその大学への実力が足りてなくても、志望大学として選ぶことなら誰でもできるのです。
この考え方で割り切った後には、逆に友達の情報を有効に活用するのも手ですね。友達の志望校で有益な情報を仕入れたり、友達が終わらせた参考書から良問を抜粋してもらったりなど。
結局受験は、自分との勝負。友達の進度や志望大学は、自分が受験で合格できるかどうかということには一切関係ありません。その焦りを割り切ることができたらこっちのものです。後は受験まで自分の苦手と向き合って、その対策を一つずつこなしていくのみです。
北海道大学|T.K
北海道大学農学部に2019年に入学しました。ブログで受験に関するノウハウを連載しています。みなさんへもとっておきの話を提供できればと考えています。