
総合型選抜では、多くの大学が面接試験を課します。しかし、高校生活では面接を経験する機会が少ないため「どんな質問をされるのか」「どう答えればいいのか」と不安を抱える受験生は少なくありません。
そこで本記事では、面接官が評価するポイントと、合格につながる具体的な対策方法をご紹介します。
総合型選抜入試を控えている方はもちろん、面接対策をしたい方も、ぜひ最後までご覧ください。
【総合型選抜】面接の評価ポイントを理解しよう
総合型選抜入試で行われる面接は、書類だけでは見えない受験生の人物像を評価する試験です。ここではまず、面接官が面接の際に見ているポイントを解説していきます。
面接官が評価する4つの要素
面接では主に4つの要素が評価されます。
• 意欲:具体的な目標や学びたい内容を持っているかがチェックされます。
• 適正:志望分野への理解度や基礎知識が問われます。
• 社会性:コミュニケーション能力や協調性を評価します。
• 人間性:マナーや態度、向上心などが見られます。
限られた時間のなかで、上記の要素をバランスよく示すことが求められます。
面接官が考える「いい受験生」とは?
では、面接官の視点から見て「いい受験生」とはどのような生徒なのでしょうか。
第一に、自分の言葉で明確に考えを伝えられる人があげられるでしょう。また「大学で学ぶ目的が明確で、入学後の具体的なビジョンを持っている」受験生も高く評価される傾向があります。
暗記した回答を機械的に述べるのではなく、質問の意図を理解した上で、自身の経験や考えを交えながら話すことが求められます。
総合型選抜ならではの評価基準に注意
総合型選抜の面接では大学のアドミッションポリシーと適合するかが重要です。各大学が掲げる「求める学生像」を理解し、自分が基準に合致していることを具体的なエピソードとともに伝える必要があります。
「地域に貢献する人材を育成したい」という方針を持つ大学の場合を考えてみましょう。この場合、たとえば高校時代のボランティア活動、地域との関わりについて、自分なりの考えとともに語れると強みになります。
【総合型選抜】よく聞かれる!質問の傾向と対策
総合型選抜入試の面接には、よく聞かれる質問の傾向があります。ただ質問に答えるだけでなく、自分の強みを効果的にアピールすることが大切です。ここでは、定番質問とその対策についてご紹介します。
志望理由に関する質問
「なぜ本学を志望したのか」という質問には、大学の特色と自分の目標を具体的に結びつけて答えます。抽象的な表現は避け、自分の経験に基づいた例を示しましょう。
▼例
「貴学の環境科学部では、フィールドワークを重視した実践的な研究が行われていることに魅力を感じました。高校での科学部での活動を通じて、実際のデータ収集から環境問題を考察する面白さに気づき、より専門的に学びたいと考えたためです」
学習意欲を測る質問
「入学後に学びたいこと」を聞かれた際は、カリキュラムやゼミの内容を踏まえた具体的な回答が求められます。学びたい内容と将来の展望を関連付けて説明できると好印象です。
▼例
「○○教授の気候変動に関する研究室で、都市部のヒートアイランド現象について研究したいと考えています。将来は環境コンサルタントとして地域の環境問題解決に携わりたいと思います」
人間性を見る質問
「高校時代の思い出」「印象に残ったエピソード」などから、受験生の人間性を見ます。単なる体験談ではなく、経験を通じて得た学びや成長を伝えることが大切です。
▼例
「科学部での研究活動が最も印象に残っています。当初は実験がうまくいかず悩みましたが、先輩や顧問の先生にアドバイスを求め、文献も調べ直すことで、徐々に研究の面白さに気づけました。この経験から、困難に直面しても諦めずに取り組む大切さを学びました」
社会性を確認する質問
ニュースへの関心と学習意欲を結びつけて説明できると、知的好奇心の高さをアピールできます。志望分野に関連する時事問題を2~3件、自分なりの考えとともに準備しておきましょう。
▼例
「再生可能エネルギーの導入促進に関するニュースに注目しています。とくに、地方自治体での太陽光発電の義務化について、環境保護と地域住民の生活との両立という観点から関心を持っています。大学では環境政策の観点から、こうした課題解決の方法を学びたいと考えています」
【総合型選抜】合格につながる面接対策の進め方
面接1ヶ月前からは、例として以下のスケジュールで準備を進めましょう。
時期 | 実施する項目 | 主な準備内容 |
4週間前 | 志望理由の整理・学部研究 | •志望理由書を見直し、アピールポイントを明確化する •学部のカリキュラムを詳しく調査する • 興味のある研究室の情報を収集する |
3週間前 | 回答内容の準備 | • 頻出質問への回答を箇条書きでまとめる • 回答を文章化し、論理的な構成になっているか確認する • 志望分野に関連する時事問題をチェックする • 時事問題に対する自分の意見を整理する |
2週間前 | 基本練習開始 | • 鏡を見ながら姿勢や表情をチェックする • スマートフォンで録画して話し方を確認する • 声の大きさやスピードを調整する • 癖のある仕草がないか確認する |
1週間前 | 実践練習 | • 家族や先生と模擬面接を実施する • 想定外の質問への対応力を養う • 時間配分を意識した練習をする |
上記のスケジュールを目安にすることで、内容面(志望理由・回答内容)と形式面(話し方・態度)の両方をバランスよく準備することができます。
面接に向けた効果的な練習方法
面接では内容だけでなく、話し方や態度も重要です。面接練習や録画での自己チェックでは、以下の4点に注目しましょう。
1.第一印象をよくする
• 背筋をまっすぐ伸ばして着席する
• 面接官と適度なアイコンタクトを心がける
• クリアで聞き取りやすい声で話す
• 明るい表情を意識する
2.質問の内容を理解する
- 質問の意図を把握してから答え始める
- 質問の意味が不明確な場合は、丁寧に確認する
例:「○○についての質問ということでよろしいでしょうか?」 - 焦って的外れな回答をしないよう心がける
3.論理的な回答を心がける
• 結論から先に述べる
• その後に理由や具体例を説明する
• 1つの回答は60秒程度を目安にする
• 話しながら面接官の反応を確認する
4.好印象を与える態度
• 早口にならないよう意識的にゆっくり話す
• 声の大きさは会場の広さに合わせて調整する
• 髪をいじるなど、落ち着きのない仕草は避ける
• 姿勢を崩さず、終始前向きな態度を保つ
客観的な視点で自分の話し方や仕草をチェックし、本番に向けて磨きをかけていきましょう。
万全の面接対策で、総合型選抜入試の合格をつかもう
総合型選抜は、学力だけでなく、受験生の意欲や人物像を多面的に評価する入試制度です。とくに面接試験では、志望理由や将来の展望を論理的に伝える力が問われます。入念な準備と実践的な練習を重ねることで、自分の魅力を最大限アピールできるようになるでしょう。
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参考
総合型選抜(旧AO入試)の面接でよく聞かれる12の質問と見られるマナーを大公開| 総合型選抜(旧AO入試)対策の専門塾ホワイトアカデミー高等部
総合型選抜(AO入試)の面接の質問にはどう答える? 大学入試面接でのマナーと気になる合格サイン! | スカイ予備校
【総合型選抜・旧AO入試】面接対策の流れ&よく聞かれる質問20選【大学入試】 – 予備校なら武田塾 大泉学園校
【6つだけ】面接者が語るOK/NG回答例
面接でよく聞かれる質問と評価ポイント-面接対策-総合型選抜・学校推薦型選抜 合格ナビ:旺文社