
「英語を生かせる仕事に就きたい」
「将来は国際的な舞台で活躍したい」
「異文化交流に興味がある」
高校生のみなさんの中には、こうした夢や希望を持っている方も多いのではないでしょうか。グローバル化が進む現代社会では、英語力と国際感覚を備えた人材へのニーズが高まっており、それに応えるように多くの大学で国際系の学部・学科が設置されています。
この記事では、国際系・グローバル人材育成学部の特徴や学習内容、将来の進路について解説します。これから大学受験を考えているみなさんの選択の一助となれば幸いです。
国際系・グローバル人材育成学部が増えているのはなぜ?
近年、「国際」や「グローバル」を冠した学部・学科が急増していますが、その背景には社会的・政策的な要因があります。
社会的背景企業の国際市場への展開が広がった
日本企業はこれまでもアジアを中心とした新興国市場への展開を進めてきましたが、特に中国などでは地元企業の勢力が強い状況が続いています。日本企業の競争力をさらに高めるためにも、十分な語学力とリサーチ力、幅広い視野などが求められています。
多文化共生化が進んでいる
外国人労働者や留学生の増加により、日本社会の多様化が進んでいます。
訪日外国人が増えている
インバウンド需要(訪日外国人旅行者による需要)の高まりにより、観光・サービス業界での国際対応力が求められています。
外国語運用能力のニーズが高い
ビジネスの現場でも教育の場でも、英語をはじめとする外国語能力の重要性が増加しています。
スーパーグローバル大学創成支援事業
文部科学省が2014年に開始した事業で、国際化を牽引する大学を重点支援しています。
グローバル人材育成推進事業
文部科学省が2012年に開始した事業で、日本人学生の海外留学促進や、外国人学生の受け入れ環境の整備を推進しています。
こうした背景を受け、従来の外国語学部や国際関係学部に加え、実践的なアプローチを取り入れた学部・学科が次々と誕生しているのです。
国際系・グローバル人材育成学部で学ぶ内容
では、国際系・グローバル人材育成学部では具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか。語学力を磨くイメージがある方も多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。以下、順番に解説していきます。
語学力グローバルに活躍するためのコミュニケーション基盤を築きます。
- 英語運用能力
アカデミックな内容を英語で理解し、議論できるレベルを目指します。 - 第二外国語の習得
中国語、スペイン語、フランス語など、英語以外の言語も学びます。 - 専門分野の外国語のスキルアップ
ビジネス英語や学術英語など、目的に応じた言語運用能力を育成します
世界の多様性を理解し、グローバルな視点から問題を捉える力を養います。
- 世界の文化・歴史・社会
各国・地域の特性や背景について学びます。 - 国際関係論・国際政治学
世界情勢や国家間の関係性について理解を深めます。 - 異文化コミュニケーション
文化的背景の異なる人々と効果的に意思疎通する方法を学びます。 - 多文化共生
多様な背景を持つ人々が共に生きる社会のあり方を考察します。
大学・学部によって、専門分野の知識も合わせて学べます。たとえば、以下のようなものが代表的です。
- ・国際ビジネス・経済
- ・国際協力・開発
- ・国際法・人権
- ・観光・ホスピタリティ
- ・メディア・コミュニケーション
言語や文化の壁を超えて、グローバル環境で即戦力として活躍できる実践的な能力を養います。
- ・プレゼンテーション能力
- ・ディスカッション・ディベート能力
- ・問題解決能力
- ・リーダーシップ能力
学びを深めるために、留学プログラムやインターンシップ、フィールドワークなど、実践的な場を用意している大学も多いです。自分に合った学習方法を展開する大学はどこか、まずはリサーチしてみましょう。
国際系・グローバル人材育成学部を設置している大学
現在、多くの大学で国際系・グローバル人材育成の学部・学科が設置されています。ここでは、代表的な大学をいくつか紹介します。志望大学探しの参考にしてみてください。
国際教養系
- ・国際教養大学(国際教養学部)
- ・立命館アジア太平洋大学(APU)(アジア太平洋学部)
- ・関西学院大学(国際学部)
- ・上智大学(国際教養学部)
グローバルコミュニケーション系
- ・立教大学(異文化コミュニケーション学部)
- ・関西外国語大学(英語・デジタルコミュニケーション学科)
国際関係・国際協力系
- ・京都大学(総合人間学部 国際文明学系)
- ・早稲田大学(国際教養学部)
- ・東京外国語大学(国際社会学部)
- ・筑波大学(国際総合学類)
各大学によってカリキュラムや特色は異なりますので、オープンキャンパスや公式サイトなどで詳細を確認してみてください。
国際系・グローバル人材育成学部の卒業後の進路
国際系・グローバル人材育成学部の卒業生には、多様な進路が開かれています。語学力と国際的な視野を生かせば、さまざまな分野で活躍できるでしょう。
主な就職先の例
- 外資系企業
外資系コンサルティング、金融機関、IT企業などで国際的なビジネスに携わります。 - グローバル展開している日系企業
商社、メーカー、サービス業など、海外拠点や国際取引を行う企業で活躍します。 - 旅行・航空・ホテル業界
エアライン、旅行代理店、国際ホテルチェーンなど、国際的なサービス業に就職する卒業生も多くいます。 - メディア・出版
国際報道、翻訳・通訳、出版など、情報発信に関わる職種で力を発揮します。 - 国際機関・NGO
国連機関、国際協力機構(JICA)、国際NGOなど、国際貢献に携わる仕事を目指す進路もあります。 - 教育関連
語学教師や国際教育関連の仕事に就く道もあるでしょう。
具体的な職種例
- 海外営業・マーケティング担当
国際市場での営業活動や市場分析を行います。 - 国際業務コーディネーター
海外との取引や交流をスムーズに進める役割を担います。 - 翻訳・通訳
言語の橋渡しとして、重要な役割を果たす職です。 - 国際協力プロジェクトのマネージャー
開発途上国での支援活動などを管理します。 - 多文化共生コーディネーター
異なる文化的背景を持つ人々の相互理解を促進します。 - 英語教員
次世代のグローバル人材を育成する教育者として活躍します。
上記の進路はあくまでも一例です。実際の進路は、卒業生の個性に応じて多岐にわたります。語学力と国際的な視野を武器に、多種多様な業界で活躍できる点が、国際系・グローバル人材育成学部の大きな魅力だといえるでしょう。
グローバル社会で輝くための第一歩を踏み出そう
国際系・グローバル人材育成学部は、語学力と国際的な教養、そして実践的なコミュニケーション能力を身につけられる場所です。グローバル化が進む現代社会において、こうしたスキルや知識は大きな強みとなります。国際系・グローバル人材育成学部に興味がある場合は、各大学の特色だけでなく授業内容や留学プログラムなどもよく調べ、自分に合った学部・学科を選ぶことが大切です。
国際系・グローバル人材育成学部を目指すにあたっては、高い語学力や幅広い教養を身につけることが求められます。そのためには、志望大学の入試対策をしっかりと行い、計画的に学力を伸ばしていくことが重要です。
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※参考
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