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大学受験勉強法

大学入試の基礎知識

私立大学の入試の仕組みを知っておこう

学研プライム研究所スタッフ

前回は国公立大学の入試の仕組みについて説明しました。今回は、私立大学の入試の仕組みについて話を進めます。

基本の3つの選抜方式

「一般選抜」と「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」

私立大学の入試も国公立大学同様、大きく分けて「一般選抜」と「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の3つの入試方式に分けられますが、その内容は国公立大のそれとかなり異なります。

「一般選抜」は2月以降に実施される(1月からという大学も)、主として学力テストの得点によって合否が決まる入試です。私立大学の「一般選抜」は入試方式が非常に多彩なので、あとで詳しく説明します。

「学校推薦型選抜」は大きく「公募推薦」と「指定校推薦」に分けられます。どちらも通常、高校の校長先生の推薦状を得ることが不可欠で、一般選抜より早い11月から12月にかけて実施されます。「公募推薦」は大学の求める出願条件を満たす必要があり、また、「指定校推薦」は少ない推薦枠をめぐって高校内の選考をパスしなくてはならなりません。いずれにせよ「学習成績の状況4.0以上」など、高校の成績を重視する大学が多いです。

「総合型選抜」は、大学・学部が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に合った人物を採用するための入試で、概ね、書類選考を経て小論文や面接などが課されます。それらに加えて、プレゼンテーションや模擬講義など、さまざまな選考や課題を設ける大学があります。「一般選抜」が学力重視、「学校推薦型選抜」が高校の成績重視なのに対し、大学入学への意欲(入学して何をやりたいか)を、ほかの入試方式より重視する傾向があります。受験生の意欲を評価するために複数回の面接を行うなど、時間がかかるため選考期間も長く、選考のスタートも「学校推薦型選抜」よりも早めです。

それぞれの入試時期を知ろう

それぞれの入試時期を時系列に並べたのが下の図です。

国公立大学同様、3つの入試方式は時期をずらして実施されるので、日程的にはすべてを受験することができます。しかし、それぞれの入試方式で求められる対策が異なるため、ひとりの受験生が3方式全部出願するのは一般的ではありません。「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」で早めに入学する大学を決めようという受験生と、「一般選抜」に挑戦する受験生に分かれる傾向があります。

「一般選抜」について深く知っておこう

基本は3科目受験

最もオーソドックスなのが3教科3科目の一般選抜で、後述する「全学部入試」と区別するために「一般選抜(学部個別入試)」といった名称にしている大学もあります。

受験科目は基本的に
●文系……「英語」「国語」「地歴・公民、数学から1科目選択」
●理系……「英語」「数学」「理科」
となります。
医学部医学科は、1次試験として「英語」「数学」「理科2科目」、その合格者に「小論文」「面接」などの2次試験を課すのが一般的です。

増える大学入学共通テスト利用・併用入試

近年は、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)を利用する大学が増えています。これは、共通テストを受けた上で「共通テスト利用入試」に出願すれば、特に追加で試験を受けることなく、共通テストの成績のみで合否が判定されるというものです。判定は、共通テストのうち大学・学部が指定する科目の得点で行われます。

また、共通テストを受けたのち、後日、大学・学部が試験を行い、共通テストと大学・学部での試験の両方の得点で合否判定を行う「共通テスト併用入試」を実施する大学・学部も増加しています。

通常、「共通テスト利用入試」と「共通テスト併用入試」は「一般選抜の学部個別日程」とは別枠で行われ、同じ学部・学科を受験するチャンスが増える形になりますが、まれに「一般選抜の学部個別日程」が「共通テスト併用入試」になっていて、共通テストを受けていることがその出願の前提になっている大学・学部もあるので注意が必要です。

ひとつの大学が1日ですべての学部の入試を行う「全学部入試」

ここ10年ほどで大学入試の方式として定着してきたのが「全学部入試」です。「一般選抜の学部個別日程」は学部ごとに試験日が設定されていますが、それを全学部同じ日に実施するのが「全学部入試」です。「全学部統一入試」などとする大学もあり、名称は大学によって異なります。

基本は、
●1日で全学部の入試を行う。
●全学部同じ問題(マークシート方式であることが多い。学部ごとに指定された科目を受験)。
●複数の学部・学科を併願できる。
ということになります。複数の学部・学科を併願することができない「全学部入試」を行う大学もありますが、その場合は入試の名称を「全学部日程入試」とするのが一般的です。

「全学部入試」は「一般選抜の学部個別入試」より早く実施されることが多く、「一般入試の学部個別入試」の前に腕試しや入試の雰囲気慣れのために受験するケースも目立ちます。ただし、「一般選抜の学部個別入試」より定員が少なく高倍率になることが多いです。
また、「全学部入試」は試験会場を日本全国各地に設ける傾向があり、移動の負担が少なくて済むメリットがあります。

まだまだ多彩な「一般選抜」

「試験日自由選択入試」や「民間英語試験利用入試」なども

「共通テスト併用入試」や「全学部入試」のほかにも、複数設けられた入試日のなかから自由に日程を選択して受験できる「試験日自由選択入試」があります。たとえば3日間入試日があれば、3日すべて受けることができますし、併願校の試験日を避けるなど調整することも可能です。さらに、英検やTEAPといった民間のテストを合否判定の材料にする「民間英語試験利用入試」など「一般選抜」の入試方式は多岐に渡ります。

ここまで、さまざまな私立大学の一般選抜の入試方式を見てきました。気をつけたいのは同じ入試方式なのに、入試方式の名称が大学によって違うことが多々あることです。“この大学・学部では、「A方式」=「一般選抜の学部個別日程」で、「B方式」=「センター試験併用入試」、「C方式」=「全学部日程」だ”などと、自分なりに理解できるようにしましょう。

学研プライム研究所スタッフ

学研プライムゼミをはじめとした映像教材を制作しています。難関大受験のための学習法をわかりやすく解説します。

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