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大学入試の基礎知識

「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」について知っておこう

学研プライム研究所スタッフ

本記事では、「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」という入試方式について、それぞれ深く掘り下げて説明します。

学校長の推薦による「学校推薦型選抜」

「公募制」「指定校制」、2タイプの学校推薦型選抜

学校推薦型選抜とは、在学する高校の校長先生の推薦を受けて出願する選抜方式のことです。大きく指定校制と公募制の2タイプに分けられます。

「指定校制」は、大学側が高校を個別に指定して募集するタイプの選抜方式を指す呼称で、指定された高校の生徒のみが出願できます。それに対し「公募制」は、高校の指定がなく、どの高校の生徒でも出願可能です。こちらは、入学希望者を一般の受験生から広く公募するタイプの選抜方式です。

国立大学では基本的に公募制のみが実施されますが、東京都立大学や横浜市立大学など、公立大学でも指定校推薦を行う大学があります。私立大学では公募制と指定校制の両方を導入しています。

大学入学者全体の中で、この学校推薦型選抜と、後述する「総合型選抜」に合格して大学に入学する受験生の割合が増加しつつあるというのが、大学入試における最近のトピックになっています。

学校推薦型選抜では高校時代の成績が重視される

学校推薦型選抜は通常、一般選抜より早い11月から12月にかけて実施されます。一般的に高校の校長先生の作成した推薦書を提出することが不可欠で、ほとんどの大学では、出願条件として「学習成績の状況4.0以上」など、高校3年間に履修した全科目の評定平均が一定以上であることを求めています。

さらに、上記の「学習成績の状況」を元に、高校3年間の成績をA~Eの5段階で示した「学習成績概評」を出願条件とする大学もあります。難関の国公立大学の中には、Aの中でも特に優秀なⒶの評価を必須とする大学もあります。

選考は小論文や面接で行うのが一般的

「学習成績の状況」や「学習成績概評」をクリアして出願したのちは、小論文や面接で選考が行われ、合否が決まるのが一般的です。また、他大学を併願せず、合格したら入学することを確約した上で出願する「専願入試」となることも多いため、注意が必要です。

国公立大と私立大での学校推薦型選抜の違い

国公立大は共通テストの受験が必須なことも

国公立大学の学校推薦型選抜はおもに公募制で、指定校制は一部の公立大学を除き行われていません。ひとつの高校からの推薦人数は制限されることがあり、その場合は、校内選考をパスしてからの出願となります。

出願後の選考方法に目を向けると、小論文や面接に加え「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」の受験が必要(受験科目や配点などは大学が指定)なこともあります。また、文部科学省の方針により、口頭試問や資格・検定試験の成績、教科・科目にかかわるテストなど、学力の評価を行うことが必須となっています。受験生にとって、高校の成績だけよければОKというのではなく、学力を問われる傾向が強まっていると考えてよいでしょう。

私立大は主に指定校制と公募制で実施

私立大学の学校推薦型選抜は指定校制と公募制の両方を実施しています。指定校制は大学が推薦枠を設ける高校を指定する方式ですが、人気の大学の指定校推薦では、少ない推薦枠をめぐって高校内で選考が行われることがほとんどです。ただし、高校内の選考を通過すれば、よほどのことがない限り合格となります。

気をつけたいのは大学入学後。推薦での入学者の成績や素行が悪いと、その出身高校の推薦枠が減ったり、指定校そのものを取り消されたりするなど、卒業校に迷惑をかけることにもなりかねません。

公募制推薦も、基本的に高校での成績について各大学の出願基準を満たす必要がありますが、大学によっては高校の成績を問わないケースもあるなど、指定校推薦や国公立大学の公募制選抜より出願基準が緩やかな傾向にあります。選考は主に小論文や面接で行われますが、適性検査や基礎学力テストを課す、一定の資格・検定の成績を求めるなど、学力を問う大学が増えています

私立大学ではそのほかの学校推薦型選抜も

私立大学の場合、指定校制と公募制のほかに、野球部などスポーツで実績のある人を募集するいわゆる「スポーツ推薦」や、生徒会活動や地域のボランティアなど、課外活動で顕著な結果を残した人を対象とする学校推薦型選抜もあります。また、商業高校や工業高校など、高校の種別を限定して募集する場合もあります。

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学力に偏らず多面的に評価する「総合型選抜」

総合型選抜では大学で学ぼうという意欲を重視

総合型選抜は、各大学・学部が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に沿って人物を評価して選抜する入試です。概ね書類選考を経て小論文や面接などが課されますが、各大学・学部の選抜方針によって、それらに加えてグループディスカッションや自己プレゼンテーション、模擬講義を受けてそれについてレポートを提出、さらには出願前のエントリーシート提出や面談など、さまざまな選考方法や課題を設けられています。入試の名称も、「AO入試(アドミッション・オフィス入試)」「自己推薦入試」をはじめとして、各大学により多様です。

アドミッション・ポリシーや、どのような選考が行われるかは大学によって大きく異なるので、志望校の募集要項や公式サイトを熟読しておきましょう。一般選抜が学力重視、学校推薦型選抜が高校の成績重視なのに対し、総合型選抜はその大学に入学することへの意欲(入学して何をやりたいか)が問われる入試と考えてよいでしょう。基本的に、合格したら入学を確約する専願入試です。

受験生の意欲という目に見えないものを評価するため、大学側も長めの選考期間を設けることが一般的で、複数回の面接を実施することも少なくありません。そのぶん、選考のスタートも概ね10月からと学校推薦型選抜よりも早めですが、一般選抜が実施される以前に合格発表がある学校推薦型と違い、遅めに実施される場合もあり、大学によっては3月ごろに実施することもあります。

学研プライム研究所スタッフ

学研プライムゼミをはじめとした映像教材を制作しています。難関大受験のための学習法をわかりやすく解説します。

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