突然ですが、皆さんには苦手分野がありますか? そもそも「苦手」とはなんでしょうか。「苦手」というのは「嫌い」というのとは少し異なります(多くの場合一致していますが)。また、「苦手」というのは相対的な概念ですが、ここでの相対的とは何との間で相対化しているのでしょうか。ここでは、周りの人と比べて相対的に不得意であることではなく、あくまで自分の中で不得意であること、すなわち自分の求める基準に対して到達していないことを指すこととします。
例えば私の場合、英語は「嫌い」な教科に分類されましたが、得意教科でもありました。一方で、数学は全体として「好き」な科目であったものの、特に東大入試に頻出の整数・確率分野については「苦手」でした(入試頻出であるということから自分の中での基準が高まっていたのかもしれません〈笑〉)。
この経験から、自分の中に定めた基準にある分野の成績が到達しないという苦しみを持つ皆さんに、私の克服方法をお伝えしたいと思います。
とにかくやり込んで基準に到達させる
身も蓋もないですが、基準に到達しないのなら、到達するまで「やってやってやりまくる」ことが必要です。
自分の中に基準が設定できている、そしてそれに到達できていないことに気づいているそこのあなたは、すでにある程度優秀か、他分野と同様の演習量は積めています。問題は、それでもなお、ある特定分野だけ基準に到達していないということです。この場合、方法論の問題というよりも「腕力」がモノを言います。他分野ではそれなりに結果が出ている、少なくとも自分の中での基準には達しているわけですから、演習の質の低いわけでは決してないでしょう。そうではなく、「相性の悪さ」(残念ながらこうしたステータスの不均衡は生じます)により、通常よりも多めの演習が必要であるということです。
特に確率問題や整数問題を解いてみるとわかりますが、一見すると他分野に比べ、何らかの特別の才能を有する人間が有利に思われるような問題が並んでいます。私はそれを見て「残念ながら自分には才能がないんだなあ」と思い、「では、それを補うだけの努力をしよう」と決意しました。具体的には、学校で使用していた参考書の問題は瞬時に解けるまでやり込み、それとはまた別にその分野を特集した問題集にも取り組みました。ここまでやってようやくコツが掴めたわけですが、そこに至ってみて気づいたことは、才能の不足ではなく「相性の問題」だったということです。
結局何が言いたいかというと、最初に戻るのですが、苦手を克服するためには、苦手ではなくなるまで演習をしまくる他ないということです。残念ながら相性が悪い分野というのは誰にも存在します。克服できるかは、相性が悪いということを受け止めた上で、カバーするだけの演習をどれだけ積めるかにかかっています。自分に残された時間に応じて、満足いくまで演習を繰り返してください!
東京大学|Y.S
東京大学法学部に在学しています。入学年度は2019年度です。少しでも早く一歩を踏み出し、継続して努力する皆さんを応援します。