高校に入ってぶつかる大きな障害の1つは、二次関数のグラフと図形が関係してくる問題ですよね。ようやく二次関数という概念に慣れてきたと思ったら、図形的な特徴を踏まえて解かなければならないなんて……と、困っている高2生も多いでしょう。情報量が多く、どの値に・どんな図形的特徴を・どうやって使えば答えが導けるか、混乱してしまうのがこの手の問題の特徴です。高1生の皆さんも、これからこの壁にぶつかることになります。
こうした情報量が多い問題へは、「何をしていいかわからない時間」をいかに減らすかが得点upの第一歩です。今回はそのためにすべきオススメの学習法をご紹介していきます。
とにかく図に書き込んで「手札」を明らかに
理系科目は特に、“最初の設定”から“最終的に求めたいもの”までの過程が抜けているから難しく感じる問題が多いのではないかと思います。情報量がさらに多い「図形と方程式」の分野は、階段を何段も飛ばして駆け上がるようなもの。いきなり解答解説に載っているような上手い解法を導き出すのは、極めて困難です。
したがって、途中の段を確認する――つまり、「今何がわかっていて、何がわかっていないのか」を明らかにすることが解答への鍵となります。
そのために、情報を頭の中から外に“書き出す”ことで整理する方法をオススメします。パズルでとにかくわかるところから全て埋めて行くように、まずは与えられた情報を図に書き込みます。そしてその組み合わせでわかる情報も全て、さらに書き込んでいきましょう。
例えば、「(y=2x上の)点Aのx座標がa」などと与えられたら、「Aのy座標も2aとわかるな……」といったように、パズルを埋めていきましょう。
最初は面倒に感じるかもしれません。情報の多さに、見落としや単純なミスも生じることもあるでしょう。しかしこれを徹底的に繰り返すうちに、小問ごとに必要な情報が確実に見えてくるようになります。書き出すことで、解答にたどり着くための自分の「手札」を全て整理し、客観的に眺めることができるのです。
ゴールから必要なパーツを割り出そう
さて、必要な情報を全て書き込めたら、あとはそれらを組み合わせてパズルの穴を埋めていくだけです。その過程で、どうしてもパズルに“仮置き”する必要がある部分が出てきます。大体の問題では、それが“ゴール”に当たります。
そしてこのゴールとは、「Aのx座標を求めよ」「△ABCの面積を求めよ」など問題文末に書かれている、求める数値(や代数、文字)のこと。例えば座標や長さを聞かれているときは、それを素直にxやy、a、pなどと、文字で置きましょう。面積を聞かれている場合は、大体三角形か四角形orその組み合わせですから、三角形と四角形まで分解して、「高さ」「底辺」がどこか確認しましょう。どちらかがわからない時は、それも同様に文字で置くと良いです。
正しく仮置きし、解答への手札の整理も着実にできていれば、「AはBA:CA=3:7の内分点だから、Aのx座標:aは……」「今は底辺CDの長さ:Lを知りたくて、CDは△ECDの1辺でもあるから……」と、答えまでのヒントが見つけやすくなります。こうして、問題を解き切るための初動からスムーズに行えるようになるのです。
最初はとにかく書く。するとそのうち、足りないパーツが見えてきて、手札にある情報を組み立てて解けるようになる。それを繰り返すうち、初見の問題でもやり方がなんとなく仮説立てられるようになってきます。
もし書き込みが多くなって見にくくなったなら、小問の度に新しく図を書きましょう。小問ごとにゴールが違うのですから、毎回情報を整理し直すことも重要です。
さあ、今回は手を動かすための第一歩をご紹介しました。どの科目・分野でも、手持ちの情報を整理し、いかに速く・正しく組み上げられるかが得点upに直結します。外に情報を書き出す練習をすれば、全ての科目で成績を底上げすることも夢ではありません。
効率よく勉強を進めるために、今日から実践していきましょう!!
東京大学|H.K
東京大学工学部在学中。入学年度は2019年度です。受験はもちろん、他のことにも通じる考え方・コツを伝えていきたいと考えております。