苦手科目からついつい目をそらしがちな方はいませんか? スポーツやアートの世界では得意分野に絞ってそこを仕上げていくことが美とされるかもしれませんが、受験の世界では得意科目を伸ばすよりも、まず苦手科目・点数が伸びない科目を平均に引き上げることが大切な気がします。そこで今回は、私が苦手な数学をどうやって伸ばしていったかをご紹介したいと思います。少しでも皆さんの勉強のヒントが見つかれば幸いです。
否が応でも苦手に向き合う時間を確保
意外と基本的なことですが「苦手科目に向き合う時間を確保する」ということができていない人が多いです。スケジュールを立てないと、自然と自分の好きな科目に手を付けがちになりませんか? 好きな科目は気づいたら2時間勉強していたとかあるけれど、苦手な科目はなかなか手を付けられないし、ようやくやり始めても30分ですぐ飽きるとか。これでは苦手科目は苦手なままです。
きちんと克服したいならば、「1日につき問題集を〇ページやる」「毎朝家を出る前の30分間は過去問を1題解く」など、目標を決めましょう。何も決意をしないと苦手科目はどんどん勉強しなくなります。「最低でもこれだけはやる」という目標を立ててください。
そうすると、毎日ある一定の時間は苦手科目が勉強できます。私の感覚としては、やはりその科目にかけた時間は成績に反映されます。苦手な科目こそきちんと計画・目標を定めて、否が応でも苦手科目に向き合う時間を作ってください。
別の問題集に手を出すより何度も解いて理解を完璧に
皆さんはついついいろんな問題集を買っては途中まで解いて飽きて、別の問題集を買うなんてことをしていませんか? 特に数学の問題集はすべての分野をカバーした問題集を揃えたらそれ以上浮気しないでください。どの問題集もだいたい似た内容です(もちろん解説の詳しさなどはそれぞれなので好みのものを選びましょう)。なので、その問題集を完璧に理解すれば大抵の内容はカバーできます。
そして、大事なのは「問題集を完璧に理解する」というところです。一度全範囲を解いたから完璧、とは言ってはダメです。私は正直、東大の25か年の問題を、すべてではないですが5回くらいは解きました。もちろん、一度で解けた問題は何度も解きませんが、少しでも怪しいと感じた問題は必ず何度も解きました。最後の方は解き方を暗記しているに近かったかもしれません。苦手科目にはこのくらい向き合う必要があります。一つの問題集を完璧に仕上げることに専念してください。
発見した自分の弱点を書いておくノートを作る
問題が解けなかったときに、解答を見て「何行目までは理解できたが、何行目からは解き方が思いつかなかった」「2行目から3行目のところでつまずいた」など、自分が解けなかった原因をはっきりさせましょう。その原因や自分が知らなかった考え方・解法があれば、自分の専用のノートを作ってそこに書き加えていきます。そのノートは自分の弱点を集めたスペシャルノートです。
私も実際作っていました。例えば、「こういう二次方程式を見たらとりあえずグラフを書いてみる」とか「変数を見たらとりあえず何かしらの値を入れてみて実験してみよう」などと、こんな小さなことも書いていました。これを模試前に見返すととても役に立ちました。
自分が使っているテキストや教科書はもちろん情報の宝庫ですが、自分専用に作られているわけではなく、自分にとって当たり前すぎる情報も載っています。こういうものを省いて自分にとって重要度の高いものだけを書き入れるノートがあれば、心強いと思いませんか?
東京大学|A.I
東京大学法学部に在学しています。入学年度は2018年度です。みなさんが少しでも受験を楽しく乗り越えられるようにアドバイスしたいです。