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難関大合格者の受験術

【勝てる学習術】理科の過去問(2次・私大)演習への取り組み方

東京大学|H.K

突然ですが、あなたは理科が好きですか? 科目としては面白いけれど、勉強となると複雑でちょっと……という方も多いのではないでしょうか。そんな理科は、特に過去問演習に注意が必要です。私が受験を通じて感じた注意点をご紹介しますので、失敗して後から焦らないために活用していただけたらと思います。皆さんが少しでも受験を有利に進められたら嬉しいです。

「何周もやれ」は危険な間違い!

多くの受験関係者から反論が来そうですが、結論として、「志望大学の過去問を何度も繰り返し解く」のは危険です。それはなぜなのか。まずここでキーワードとして、「過去問は限りある資産」という言葉を覚えてください。なぜ危険なのかが、この言葉に詰まっています。

志望大学の試験本番は毎年1度ずつしかないわけですから、「過去問」=志望大学の過去の問題は数に限りがあるのは当然ですよね。だからこそ「何周も解いて、完璧にする」という考えが広まっていますが……ここに落とし穴があります。そもそも、過去問演習を通じてあなたが学ぶべきことは何だと思いますか? それは、難易度・出題形式・時間配分(ペース)の3つです。これさえわかれば、本番の試験で焦らず解けるように戦略を練ることができます。

「数年分解いて出題傾向を把握しろ!」という方も多いですが、受験の素人の私たち自身が分析するより、余程優秀なプロの講師・有名予備校等が毎年の解答解説・過去問集に分析を掲載していますので、それを見た方がはるかに効率良い勉強となるでしょう。

結局、過去問演習は「難易度や出題形式・時間配分の把握・練習」のためにするわけです。そして正しくこれらを行うためには、問題の内容や解答解説を覚えていてはダメですよね。これが最大の落とし穴です。何度も行ううちに内容を暗記してしまい、「なんとなくできてきた気がする」という勘違いが生まれてしまう。そして模試や本番に、「過去問演習ではできていたのに」と感じ、「調子が悪かったのかな?」と、なんとなくで済ませていってしまう人も結構います。

特に理科は実験手順にストーリー性があったり、テーマが特徴的だったりする問題・図が多く、記憶に残ってしまいがちです。短いスパンで何周もしても、大きな成果は得られないでしょう。

理科の過去問演習はこれで効率アップ

ここまで述べたように、資産は消費すれば減っていきます。家や電子機器と同じように、一度使えば“中古“扱いとなって元には戻りません。「模擬試験があるから大丈夫!」と考える方もいらっしゃるでしょうが、模擬試験と過去問は絶対的に違います。どんなに傾向を分析し真似ても、些細な違いが出ます。あくまで模擬試験は練習だということを忘れずに。

したがって、過去問を使うなら、ペースを考え、難易度・出題形式・時間配分の把握・練習という目的のために用いてください。そして各「初回」を最大限に活用しきりましょう。具体的には、9月から志望大学ごとに、1年分全科目を、1か月に3日ずつ(本番と同じ時間帯・試験時間・順番で解く+答え合わせ・解答解説の理解に追加1日)かけて行うイメージでやってみましょう。冬休みまでは、このペースで「自分が今どれだけできるのか」「どれだけ本番をイメージできるか」確認してください。

理科は、特に現役の方は秋になっても勉強しきれていない分野があることも多いので、無理に解かない事が大切です。必ず1年分セットで、全問通して解いてください。過去問は単なる問題演習ではなく、また、「限りある資産」であることを忘れないで欲しいと思います。

一方で、資産をうまく運用すると利子が返ってくるように、過去問は使い方次第で合格に大きく近づけるキーアイテムです。あなたの勉強のペースや進度も考えて、自分なりに使い方を工夫してもらえたら嬉しいです!

東京大学|H.K

東京大学工学部在学中。入学年度は2019年度です。受験はもちろん、他のことにも通じる考え方・コツを伝えていきたいと考えております。

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