受験生の皆さん、日々の勉強ご苦労さまです。今回は理科基礎を、とりわけ生物基礎・地学基礎を共通テストで使う難関大受験生向けの受験対策となります。
予備校等で出されているデータを見てもここで点数を稼いで共通テストの総点を最大化するというのは受験において王道中の王道です。そのために夏休みでの勉強で何に気をつけるべきか、秋・冬への展望を見据えながら概観していきましょう。
二重の意味で、深入りは禁物!?
これまでの共通テストを見直してみると、傾向としてどんどん知識系の問題が減り、最低限の知識と絡ませた考察系の問題が主流になっているといえます。
ですから戦略としてはまだ居座っている知識系の問題や、考察系問題の前提となる知識獲得のために、
①知らない知識がないように、基本的な共通テスト用の参考書で勉強する
②知識をどのように使っていくのか、過去問、模試、予想問題で時間の許す限り練習していく
ということになります。
ここで気をつけたいのが、夏休みはあくまで2次試験対策に使うほうが、対策量のトータルバランスとの兼ね合いでは合理的だということです。
しかし夏休み中、理科基礎に触れないのは、その後に控える数々の模試という練習の場を有効活用するのに支障がでるという点で悪手です。
したがって、夏休みでの理科基礎の必要十分な勉強は①のみということになります。
そしてもう一つ、気をつけたいのが、皆さんの“好奇心”です。
基礎科目の裏には、理系用の理科科目がそびえたっています。難関大を目指すみなさんは総じて好奇心が強いと思われ、基礎科目の枠を飛び越えてそちらまで進んでしまいがちです(私もそうでした)。もちろんより深く学ぶことは悪いことではありませんが、こと「共通テスト理科基礎の得点を最大化する」という目的においては自重するべきでしょう。
以上、量・質の両面において“深入り”には気をつけてください。
合格点を取るための具体的な勉強法は?
地学基礎も生物基礎も、学習の基本線は変わりません。
①必要十分な用語の定義を覚える(例:環境形成作用とは何か?/自形とは何か?)
②基本的な計算問題の解法を覚える(例:濃縮率の計算/星の等級の計算)
③現象の仕組みを理解し、覚える(例:低血糖時の反応/大気の大循環)
何点かアドバイスしますと、①では、「AとはBである」とあったとき、Aを覚えるだけでよいのか、Bを積極的に覚えたほうがよいのか意識してみてください。前者はその分野の世界観を整理するのに役立ち、後者は実際のテストの場で必要となります。
②では、おそらく共通テストでは基本レベルの計算は出ないと思います。しかし応用レベルの計算問題も、基本レベルの組み合わせに過ぎません。夏以降の勉強のためにまずは基本レベルの計算問題を完璧にしようと割り切ってください。
③については、そのまま共通テストで聞かれてもおかしくないところです。現象の背景にある理論を意識しながら全体の把握に努めましょう。
以上、理科基礎の攻略について考え方から実際の対策まで解説しました。
理科基礎は他の科目よりも点数がとりやすい科目であり、勉強法次第で十分満点が狙える科目です。皆さんがこの記事を参考にして、目標点をきっちり取れる万全の対策ができることを願っています。