近年の国公立大では、データサイエンス系を中心に新たな学部が誕生しています。
そこで今回は、2023年最新学部事情(国公立大学編)その1として、国公立大学のそれらの学部を紹介します。
私立大学の新学部については、当サイトの「2023年最新学部事情(私立大学編):保護者世代が受験していない学部は?」という記事で説明しています。あわせてそちらもお読みください。
2023年、2024年に相次いでデータサイエンス系学部が創設
2023年に新設された国公立大学の学部
2023年で目立ったのが、データサイエンス関連の学部新設です。
まずは72年ぶりの新学部開設ということでも大きな話題となった、一橋大のソーシャル・データサイエンス学部。社会科学の理論を学んで課題を設定し、統計学、情報・AI、プログラミングの3分野のスキルを身につけてデータの収集・分析などを可能にします。
名古屋市立大もデータサイエンス学部を創設。ビッグデータや統計学、AIなどに関する、データサイエンスの専門家の育成が目標です。
静岡大は、グローバルな社会的課題を多様な立場の人々とともに検討し、解決に取り組むグローバル共創科学部を設置しましたが、海外研修やデータサイエンスなどに関するカリキュラム編成になっている点も特徴のひとつです。
和歌山大の社会インフォマティクス学環*では、経済学部、観光学部、システム工学部が密接に連携し分野横断的な教育が行われ、学生にビジネスサイエンス力やデータ利活用力、企画力・発信力・実践力などを身につけさせます。
*学環とは、学部等連係課程制度による教育課程。学部に相当するが、既設の学部等複数組織の連携により学部からは独立した組織として編成されるため、「学部」以外の呼称が用いられる。
データサイエンス関連以外では、島根大が材料工学系の材料エネルギー学部を新設。エネルギー問題を解決する新材料・新素材の開発に特化した学部となっています。
2024年に新設予定の国公立大学の学部
2024年の新設予定でも、やはりデータサイエンス関連の学部が目立っています。
まず国立大学では、お茶の水女子大で、データサイエンスの基盤の上に工学の知識や技術を文系の知と協同させ、イノベーションを推進できる女性人材の育成をめざす、共創工学部を新設する予定。
そのほか、千葉大が情報・データサイエンス学部を、宇都宮大がデータサイエンス経営学部を設置予定です。
熊本大も、DX(デジタルトランスフォーメーション。デジタル技術による企業の変革)や数理・データサイエンスの素養を身につけた人材を育成する、情報融合学環を新設予定。
茨城大が設置構想中の地域未来共創学環は、ビジネスとデータサイエンスの基礎を学んだのちに、専門性を高めるためのプログラムを選択するタイプのカリキュラム。茨城県内の自治体や企業で社会人の一員として給与をもらいながら働く長期有給実習なども特徴です。
公立大学ではデータサイエンス関連学部として、富山県立大が情報工学部を、下関市立大がデータサイエンス学部を、高知工科大がデータ&イノベーション学群を設置する予定です。
以上、今回は国公立大学編の1として、データサイエンス関連の学部新設を中心に、2023年度・2024年度の新学部をご紹介しました。
次回は国公立大学編2として、国公立大学の新増設学部について、2005年以降に増設された新学部と大学統合や名称変更などのトピックスをご紹介します。