皆さんこんにちは! 夏以降、勉強の中心に据えることになる「過去問演習」は、受験本番の結果に最も大きな影響を与えるといっても過言ではありません。ということで、今回は数学の過去問演習の基本的な取り組み方について説明していこうと思います。
「演習する目的」をもって臨もう
過去問演習をする目的として、志望大学のレベルを把握すること、志望大学の問題の傾向を知ることなどが挙げられます。ただ漫然と問題を解くのではなく、何のためにこの行動を取るのかというのがわかっている状態で動き出す人は、結果が出やすいと思います。志望大学の問題のレベルがどれくらいのものか知りたいなど、過去問を解き始めてあまり時間が経っていない頃は、時間を気にせずに自分が納得するまで目一杯時間をとって、問題に取り組むといいでしょう。
数学は現代文と同じように、「与えられた条件・問題文から問題を解くのに必要な情報を抽出して、整理する」→「問題で求められているように論理的に回答を組み立てる」というステップで問題を解くことが重要です。最初から1つ目のステップが完璧にできる人はいませんので、難しい問題でも自分がもう無理だと思うまで時間をかけて、どこまでできたのか、どこから先に進めなかったのか、それはなぜなのかということを1つずつの問題で確認していきましょう。それを繰り返すことで、スムーズに問題を解ける回数が増えていきます。
模試の1週間前、共通テストが終わって本番直前などの場合はじっくり時間をかけるのではなく、実戦形式の演習で本番感覚を養う必要があります。本番と同じ時間、もしくは8割程度の時間で問題を解く練習を重ねましょう。数学は解ける問題を確実に解くことが一番大事なので、実戦形式で取り組むときには、開始直後にパッと問題全体に目を通して優先順位をつけて問題を解いてみて、答え合わせをする際にはその優先順位づけが概ね正しかったかを確認する習慣をつけると、本番に生きると思います。
国公立第一志望の人も私大過去問を
過去問演習は、私大が第一志望の人はもちろんしてください。しかし、国公立志望の人にとっては私大の受験は本番であっても、「第一志望に向けた練習」といった位置づけで取り組む場合も多いのではないでしょうか。私大の本番は1月や2月の頭です。もう国公立の2次試験本番が近づいていますから、私大本番よりもそちらを第一優先として勉強すべきです。
東大京大志望の受験生が私大は早慶を受験するなど、基本的には国公立でこのレベルの大学を受験する人はこのくらいのレベルの私大を受験するよねというのがあって、それに従ってみなさんも受験する私大を決めると思います。第一志望の国公立と同程度もしくは少し易しいという問題の難易度である場合が多いです。対策を特に取らなくても私大に受かる人も多く、一概には言えませんが、個人的には私大の過去問も3年分くらいは目を通しておくといいと思います。
私大の合格を押さえていると、精神的に安心して国公立の本番に望めますし、準備しておいて損はないと思います。
東京大学|R.S
東京大学経済学部に2021年4月から復学しました。中学からの苦手科目を高校で得意科目に変えた経験や、公立中高から東大に現役で合格した経験をベースに、皆さんにとって有益な情報をお届けします。