私は文系生で、数学には苦手意識を持っていました。夏休み直前になっても、問題を解いても解いてもできるようにならない感覚に焦っていたのを覚えています。
今回は、2次試験に記述があるのに数学に不安を感じている皆さんに読んでいただきたいです。
①入試の時間・形式を把握しよう ――本番の自分をイメージする――
皆さんは今、どのように数学を勉強しているでしょうか。赤本や青本をひたすら解く、授業の予習復習に明け暮れるなど、1年前の私のように目的意識もないまま、大量の問題に吞み込まれて出られない感覚を抱えている人は多いのではないでしょうか。
そんな中でおすすめしたいのは、一度入試の形式を確認することです。東大であれば、数学の2次試験は4問の問題を100分間で解くというシンプルなものです。さらに調べれば、半分程度点数が取れれば十分に合格可能性があることもわかると思います。これは個人的に、もう少し早く気づけばよかったと思ったことです。
さらに、意識したいのが「採点者は大学教授という生身の人間であるということ」です。機械的な採点基準にもとづく模試とは違い、走り書きでも数学的に正しいことを書くことで、点差になることが多々あります。
その上で、やはり網羅的な勉強は不可欠だと言えます。何が出るかわからないということは、全てを対策しておく必要があるからです。そして、最後まで粘って100分間を効果的に使い切るには、単純な数学力だけではない能力、具体的には体力や根気、戦略性が重要だと言えます。
このように、自分の受ける大学の入試問題から必要な能力を逆算してモチベーションを上げることは非常に重要です。
②自分で入試環境を再現し「受験」してみよう ――「100分間」の感覚をつかむ――
それに加えて、自分が夏休みからやっておいて良かったと思ったのは、本番を再現した演習です。
「本番を再現」といっても、入試問題をいきなり解くことは難しいと思います。そこで今回おすすめしたいのが、問題数と制限時間のみ再現する方法です。東大文系志望であれば、今取り組んでいる自分のレベルに合った問題集やテキストの中からランダムに4問を選び出し、100分間でどの程度粘って得点できるかにチャレンジしてみましょう。
定期的に何回もやっていけば、自分の実力や100分間という時間の長さの感覚が掴めてきます。ゆくゆくは問題のレベルを入試問題にまで引き上げてください。
今回は数学について、実際の2次試験本番を想定した、効率良く得点力を引き上げる勉強方をご紹介しました。皆さんもぜひ、本番まで「100分間」と向き合い続けてください。私も応援しています。