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保護者世代が受験していない学部は?

学研プライム研究所スタッフ

※この記事の2023年版の最新情報は 「2023年最新学部事情(私立大学編):保護者世代が受験していない学部は?」 をご確認ください。

なお、紹介するのは原則、新たに開設された学部か、従来のひとつないしは複数の学部が新たな複数の学部に改組・再編されたケースで、学科のみの増設・名称変更などについては話題性の高いものを補足的に本文中で挙げるに留めました。

国際、情報などに関する学部が開設される傾向に

国際○○学部がたくさん誕生

ではさっそく、新学部の傾向についてみていきましょう。
※(  )の中の西暦は、その学部が開設された年です。

まずその多さに目を見張るのが、“国際”を冠する学部です。いうまでもなく国際化・グローバル化が進むなかで、大学の学問も国際的な性格を強く帯びるようになったために、国際系の学部が増設されてきました。

大きな話題となったのは早稲田大の国際教養学部(2004年)
この学部は、学部内での共通言語を英語とし、ほぼすべての講義科目を英語で実施。日本語を母語とする学生は1年間の海外留学が必修で、日本語を母語としない学生には日本語習得のためのプログラムを提供。学生全体の約3割が外国人留学生となっています。
そのほか早稲田大では政治経済学部に国際政治経済学科(2004年)が開設されたことも当時、注目を集めました。

明治大の国際日本学部(2008年)は、英語・日本語による日本文化の積極的な情報発信をめざす学部で、日本のアニメや漫画が好きな学生などにも人気。中央大は2019年に国際経営学部を開設しました。

同様の背景で、「グローバル」のという言葉が名称に含まれる学部も、法政大のグローバル教養学部(2008年)、立命館大のグローバル教養学部(2019年)、同志社大のグローバル地域文化学部(2013年)、上智大の総合グローバル学部(2014年)などが開設されています。

情報系やコミュニケーション、人間科学なども

高度情報化が著しく進展していくなかで、そうした分野を研究対象とする情報系の学部も増えています。文系的なアプローチを主とする学部としては、同志社大の文化情報学部(2005年)、青山学院大の社会情報学部(2008年)などが挙げられます。2006年に立教大の社会学部に新設されたメディア社会学科も情報系と考えてよいでしょう。先ほどあげた“国際”と絡めた中央大の国際情報学部(2019年)という合わせ技も。
情報系の一種として、人々の形成するコミュニティや、人々のコミュニケーションのあり方も学びの対象になっています。立教大の異文化コミュニケーション学部は2008年に開設。青山学院大はコミュニティ人間科学部を2019年に開設しました。

理系は環境系や生命科学などの学部が開設

理工学部を改組するケースも目立つ

理系では、新たに学部を作るのではなく、すでにある理工学部などを現在の情勢に合わせて再編する形をとる大学が多くなります。そこでキーとなるのが、やはり情報系の学問。
文系の情報系についてはすでに述べましたが、理系ではITやコンピュータの技術そのものの開発に携わる工学的なものが中心です。
上智大は理工学部を、機械工学科、電気・電子工学科、数学科、物理学科、化学科の5学科から、情報理工学科、機能創造理工学科、物質生命理工学科の3学科に改組(2008年)しました。
改組ではないケースでは、法政大が情報科学部(2000年)を、立命館大が情報理工学部を開設(2004年)しています。

また、情報系ではありませんが、早稲田大の理工学部が基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部に改組(2007年)されたときのインパクトは大きなものがありました。

隣接分野の環境系、生命科学系

理系では情報工学関連への対応のほかに、環境を意識した学びを取り入れるケースも。
関西大は工学部を環境都市工学部、システム理工学部、化学生命工学部に改組(2007年)しています。
関西学院大は理工学部を理学部、工学部、生命環境学部、建築学部に再編(2021年)しました。

環境を学ぶには生命について学ぶことも大事だということや、科学技術の進歩でDNAなど生命の秘密についての研究が進んだこともあり、生命科学関連の学部も増加。2008年、法政大と立命館大が同じ年に生命科学部を開設しました。同志社大も2008年に生命医科学部を開設しています。

看護系と心理系も開設ラッシュ

人材不足の看護系、ニーズ大の心理系とスポーツ系

看護に求められる技術・知識は高度化しており、看護師を目指して4年制大学へと進学する人が増加しています。慢性的な看護師不足も長く続いており、看護系の学部を設ける大学も少なくありません。
慶應義塾大は看護医療学部(2001年)を開設。上智大は総合人間科学部に看護学科を開設(2011年)しています。

また、学生からのニーズが大きく、新設ラッシュとなっているのが心理系の学部・学科。
2017年には公認心理師という国家資格が誕生しました。立教大は現代心理学部(2006年)を、同志社大は心理学部(2009年)、立命館大は総合心理学部(2016年)を開設。明治大は文学部に心理社会学科(2002年)を設け、青山学院大は教育人間科学部に心理学科を開設(2009年)しました。

プロスポーツクラブやフィットネスクラブの増加などもあって、スポーツ系の学部も増えています。
その先駆けともいえる存在が、早稲田大のスポーツ科学部(2003年)で、人間科学部とは別に開設された学部です。スポーツ健康学部を開設したのは法政大(2009年)、スポーツ健康科学部を開設したのは同志社大(2008年)、立命館大(2010年)となっています。

2000年以降に増設された学部一覧

最後に、大学ごとに2000年以降に増設された学部を一覧で紹介します。

今回は、2000年以降に新設された学部を紹介しました。
保護者の方も気になる学部がありましたら、ぜひお子様と調べてみてはいかがでしょうか。

学研プライム研究所スタッフ

学研プライムゼミをはじめとした映像教材を制作しています。難関大受験のための学習法をわかりやすく解説します。

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