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大学入試の基礎知識

大学入学共通テストとは?

学研プライム研究所スタッフ

大学入試センター試験に替わって2021年度入試からスタートした大学入学共通テスト。その仕組みや受験する際の注意点などについてまとめました。

国公立志望者は受験が必須!


国公立大学の一般選抜に挑戦するなら共通テストの受験が必須

大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、各大学が独立行政法人の大学入試センターと共同して実施する試験です。例年、1月中旬の土曜日・日曜日に2日連続して日本全国で一斉に行われる日本最大規模のテストとなっています。解答は全教科・科目で「マーク式」です。

共通テストの得点は大学入試の合否判定に利用されます。国公立大学の一般選抜を受験するには共通テストの受験が必須で、国公立大学の1次試験という側面があります。さらに私立大学でも多くの大学で共通テストの結果を入試に利用しています。具体的にどのように共通テストが大学入試の合否にかかわってくるかは、あとで詳しく説明します。
なお、初年度(2021年度)における共通テストの現役生の受験率は44.3%です。都道府県による受験率の差が顕著なケースもみられ、東京都は57.1%と高くなっているのに対し、大分県や沖縄県など30%強にとどまっている県もあります。

国立大一般選抜なら基本は5教科7科目を受験


科目の選択に細心の注意を

共通テストの出題科目は、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目です。そのなかから、受験する大学が指定する教科と科目を選択して受験することになります。出題教科・科目、配点や試験時間などをまとめたのが以下の表です。

国公立大学の一般選抜に挑むなら、上記の科目のなかから大学の指定する科目を選択するわけですが、「英語以外の外国語」「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「簿記・会計」「情報関係基礎」「世界史A」「日本史A」「地理A」は、出題科目として指定していない大学が多いため、受験する人は少ないです。


文系・理系別に代表的なパターンが

では、具体的にどんな科目を選ぶとよいのか、文系・理系にわけて考えてみましょう。まず、文系・理系問わず「国語」は選択肢がなく「国語」を受験するのみです。数学も文系・理系ともに「数学Ⅰ・数学A」と「数学Ⅱ・数学B」を選択することになります。「外国語」もほとんどの人が「英語」一択でしょう。

文系と理系で事情が異なるのが、地理歴史・公民と理科の科目選択です。まず文系は、「世界史B」「日本史B」「地理B」「倫理、政治・経済」「現代社会」「倫理」「政治・経済」から2科目選択するのが一般的ですが、難関大学では「現代社会」「倫理」「政治・経済」が選択できないことが多く、「世界史B」「日本史B」「地理B」「倫理、政治・経済」から2科目というケースも目立ちます。学習の負担の大きい「世界史B」「日本史B」を避けて、「地理B」「倫理、政治・経済」の2科目選択で共通テストを切り抜けることも考えられますが、個別試験(2次試験)で世界史か日本史が出題されるため、歴史科目の学習が必須であることが通常です。

文系の理科については、ほとんどの人が上記の表中“A”の「理科①から2科目」を選択します。「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から2科目を選びますが、「生物基礎」と「地学基礎」を選ぶと高得点が狙いやすいといわれています

理系は地理歴史・公民から1科目を選択するのが一般的ですが、世界史や日本史の選択は避け、比較的学習時間が少なくてすむ「地理B」か「倫理、政治・経済」を選ぶのが効率的といえるでしょう。理科は上記の表中“D”の「理科②から2科目選択」で、まず「化学」を選択し「物理」か「生物」のいずれかを選択する傾向が強いです。

以上に述べたのは文系・理系いずれも一般的なイメージです。大学によっては違った科目を指定していることもありますので、受験を考えている大学の指定科目は早めに調べておきましょう。

私立大学の入試でも利用できる!


受験のチャンスが増える!

私立大学では、一般選抜と別枠(別日程)で共通テストの結果を利用した入試を行うことがほとんどです。つまり受験のチャンスが増えます。

共通テストの利用法としては、“共通テスト利用式”と“共通テスト併用式”という大きなふたつの柱があります。“共通テスト利用式”は「共通テストを受けて私立大学に願書を出せば、大学の指定する科目の共通テストの得点で自動的に合否判定してくれる」形式で、“共通テスト併用式”は「大学の指定する科目の共通テストの得点と、大学が用意した科目の試験の得点で合否判定を行う」形式です。“共通テスト併用式”の亜流で、共通テストの成績で1次試験を実施し、合格者に面接を課すといったケースもあります。

“共通テスト利用式”と“共通テスト併用式”は大学によって名称が違うこともあるので注意が必要です。また、学校推薦型選抜で共通テストを利用する大学もあるので調べてみましょう。

思考力、判断力、表現力を重視した問題に


問題の出題傾向に変化が

共通テストは、2020年度まで約30年にわたり実施されてきた「大学入試センター試験」の後継にあたりますが、「大学入試センター試験」とは出題傾向に変化がみられます。
問題作成の際に、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題が重視される方針となりました。
その結果、全体的に知識の暗記のみで解けるような問題は減り、グラフや写真、地図、イラストなどを読み取り、思考力や判断力を駆使して解く問題や、資料やデータなどをもとに考察する問題が増えました。
また、そのぶん解答に時間がかかることもあってか、解答のマークの数も「大学入試センター試験」より減少傾向にあります。

以上、大学入学共通テストの仕組みや注意点をお伝えしました。自分の受験するべき科目をしっかり考え、早めの対策を行いましょう。

学研プライム研究所スタッフ

学研プライムゼミをはじめとした映像教材を制作しています。難関大受験のための学習法をわかりやすく解説します。

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