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難関大合格者の受験術

【勝てる学習術】「世界史」の対策スケジュール立てとその戦略

東京大学|S.H

幅広い地域のことを扱い、ややこしいカタカナの単語も多い世界史。日本史ですらひと苦労だというのに、複数地域間の交流や世界の地理まで把握するというのは、なかなか大変なものですよね。あまりの範囲の広大さに、ただ教科書をなぞっているだけでは覚えたところからどんどん知識が抜けていってしまうというもの。このコラムでは、そんな世界史の勉強に関する、本番までのスケジュールや戦略をお伝えしていきたいと思います。

得点源になるのは難関大でも「基礎的な事項」

国公立大の2次試験や難関私大の入試では、教科書の隅のほうに小さく書いてある・もしくは資料集にも載っていないような事項を出題してくることがあります。答えられたら差がつくだろうな、こういうところこそしっかり覚えなきゃ、とは思いますよね。でも、こうした出題に悩まされるのはどの受験生も一緒ですから、基礎が確立できるまではマニアックな事項を覚えることに時間を割くことはあまりおすすめできません。私も受験生時代、とある私大の過去問のマニアック加減に驚き、慌てて世界史の先生に見ていただいたら、合格者平均点に載っているスコアはちょうど “マニアック” 部分を除いた、基礎的な出題をすべてクリアしたくらいの点数だと言われたことがありました。

よく考えたら、受験生は誰もが一所懸命に基礎から勉強しているはずなのに、その基礎さえ固めていれば合格には手が届くというのも不思議な話ですよね。ここからは私の邪推ですが、きっと難問対策に気を取られて基礎を完璧にできていない人が一定数いるのだと思います。たしかに、自分の中で「覚えるべき」とラベル付けされた用語が増えれば増えるほど、勉強の回転は重たくなりますし、スケジュール管理が少しうまくいかなければ他の範囲が終わりきらなくなってしまう危険性もありますよね。

そんなわけで、何度も薄く薄く知識を塗り重ねていくような勉強のしかたを軸として対策スケジュールを考えるのがおすすめです。注意すべき点は、あまり無理をせず自分のペースに合わせて、おおよそ1〜2か月を目安として全範囲を一周することを目標に、その代わり確実に基礎知識を入れ込んでいくこと。それを終え、基礎知識が定着したことを確認してはじめて、少しレベルアップした学習に移るというちょっとしたルールを作ると良いでしょう。

進度を確認しつつの学習になるため、それほどがっちりとしたスケジュールを組むことはできませんが、始めるタイミングとその時点での力量に最もよく合った計画を立てることができるのではないでしょうか。

覚えにくい箇所のおすすめの対策法はこれ!

フランス革命のように2〜3年で大きな情勢の変化がいくつもあったような出来事や、中国史のように王朝名・建国者・首都・政治制度etc.をセットでたくさん覚えなくてはならない項目は、なかなか一度の学習で定着させることはできませんよね。そのような場合には、覚えられない項目をピックアップして、自分なりに付箋やノートにまとめ直すことをおすすめします。

時系列で覚えることが苦手なら、①②と丸付き数字を使って具体的かつ視覚的にもわかりやすく。紛らわしい用語があるのなら、自分なりの語呂合わせを考えてそれを書き出す・唱えるなど。異なる地域間の横のつながりや同時代性が覚えられないときは、同時代人(実は徳川家康とシェイクスピアは同時代に生きていた!というのもあります)の肖像画をデフォルメしたイラストを描き、ビジュアルでインプットするのもおすすめです。

世界史の学習に不安を抱えている方は、ぜひこうした方法を試してみてくださいね。

東京大学|S.H

東京大学教養学部在学中。高校時代は公立校の外国語科に在籍し、塾に通うことなく合格をしました。みなさんができるだけ楽しみながら勉強を進められるようなコラムを執筆いたします。

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