国公立大の入試の多くで、理系志望であっても避けることができない社会科目。とはいえ実際にどれくらい勉強時間を割り振ればいいのか、スケジュール設計に、困っている人も少なくないでしょう。今回は、「共通テストだけだから……」「理系科目の方が大変すぎて……」と後回しにする前に、どのタイミングから・どれくらいのペースで社会科目の勉強を進めれば良いかをお伝えします。社会の勉強をもう始めた人も、まだ始めていない人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
社会科目は高2秋から! 早めに一周しておくのがオススメ
他教科の勉強も踏まえると、時間はいくらあっても足りないのが受験勉強の実情です。もちろん、どの教科も早く始めるに越したことはありません。
特に社会科目は、「理系科目と違って2次試験で使わないから」と軽視したり、「覚えてもキリがない」とコスパが低く感じてしまったりと、後回しにしてしまいがち。対策が追いつかなくなって焦る前に、早めのスタートダッシュを決めましょう。
オススメなのが、高2秋からの着手。高校にもよると思いますが、だいたい高2の秋は社会科目にある程度触れ、進路及び受験科目の目標・目安が立つ頃だと思います。高2冬・春の長期休みの時間があるタイミングに一念発起し、勉強を進めてしまうのがオススメです!
早い人は高2秋以前から受験勉強を始めているかもしれませんが、一度このタイミングで社会科目は一周してしまうべきです。それだけ長期休みが特殊なボーナス期間だと意識してください!
高2で手早く全体の流れを掴んでおこう
よく耳にするのが、「社会科目は暗記が多いし、早く始めても忘れてしまうから意味ないのでは?」という心配。皆さんの中にも膨大な量の暗記に自信がある!という人は少ないと思います。結論として、確かに人は絶対に忘れるので、高2の時点で無闇に暗記する必要はありません。だからこそ、まずは流れ=全体像を掴んでおき、高3の4月以降の暗記の下地を作っておきましょう!
歴史(日本史、世界史)なら、全体の流れ(ストーリー)を大まかに掴むことを優先。前後の出来事との関係性やなぜ起こったのかを確認しましょう。地理なら主要国の名前・位置や気候区分を、公民・政治経済なら民主主義や政治システムの内容を大まかに把握しておくのがオススメです。
この「流れの把握」は本当に簡単で良いので、「短期間に」「素早く」回しましょう。2、3日まとまった時間を作り、教科書をざっと一周するだけでも、その後の学習のスケジューリングしやすさが変わってきます。どの分野が難しく・苦手に感じて、どの分野が楽しかったのか。暗記が多そうなのは流れの中のどの辺で、流れ自体が複雑なのはどこか……。これを短期間で大局的に把握しておけば、「あ、ここ苦手っぽかったから勉強時間を多めに取ろう」などと、自信をもって計画できるというわけです。この短期間の1周を何度か繰り返すのは、暗記のコツでもあります。
社会科目のスケジューリングで特にありがちな間違いが、「1日3ページずつ教科書を覚える」というような割り振り方。同じ3ページでも分量にも自分のテンションにも波がありますから、できるだけ密度的なペースが乱れない割り振り方を心がけましょう。
さて、今回は高2での社会科対策について、2つのアドバイスをご紹介しました。実践する中で、自分に合ったやり方やペースを見つけていってください。皆さんが余裕をもって着実に受験勉強を進められることを願っています!
東京大学|H.K
東京大学工学部在学中。入学年度は2019年度です。受験はもちろん、他のことにも通じる考え方・コツを伝えていきたいと考えております。