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難関大合格者の受験術

【勝てる学習術】「物理」の本番までのスケジュール・戦略

東京大学|H.K

受験生の皆さん、物理の勉強は進んでいますか? まず知識を覚え、それを扱って問題を解けるようになるまでに時間がかかるのが物理の特徴です。そんな物理の進捗に不安がある人をはじめ、だいぶ学習が進んでいる人でも受験を有利に進めるよう、一例として私の本番までの戦略やスケジュールについてご紹介します。

物理は「パターン」が命

正直、受験の科目全てに当てはまりますが、特に物理の勉強で重要なポイントは「パターン」。使う道具と使い方が限られているので、自分の頭の中でフローチャートを作るのが大切となります。つまり、「この種類の問題のときはまず○○力を求めるために△△の式を立てるのだな……」といった道筋が、どんな問題に対しても最後まで湧くようにする事が大切なのです。

物理が苦手な人は大抵、このイメージが欠けているのが原因です。「とりあえず力学だから運動方程式を立ててみた、でもなんだか使わなさそう」「圧力の関係式を解いたけど、結局この後どうするんだっけ?」といった具合に、道具の使いどころを間違えてしまったり、考える途中で迷子になってしまったりするから解けなくなっているのです。必要なのはイメージを持ち、道筋を立てる力。これさえできれば、複雑で初見のテーマでも焦らず逃さず点を取り切ることができます。

前置きが長くなりましたが、こうしたパターンを把握し、頭の中で整理することを最優先しましょう。そして効率良くイメージを作るために、私は次の3ステップを実践しました

まず大前提として、ひと通り全ての分野の基礎を学ぶ、つまり「道具を揃える」のが第一段階です。
そして、2つめのステップが、「解かない」戦略です。実は問題を毎回じっくり解いていては、まず掴むべきパターンが見えてきません。最後まで解き切れるようになることも大事ですが、優先すべきはパターンの構築。問題を見て使う道具やパターンを10~30秒考えたら、答えと付き合わせ、正しい「パターン」に修正していきましょう。考えをメモしながら、問題集1周の正答率を1か月かけて上げていくペースがオススメです。

最後に、問題を最後まで解き切ることだけを行うステップに入ります。パターンがもう掴めているはずなので、そこから先は「取れる所を確実に解く」「初見の応用問題に生かす」だけで完璧です。
この3ステップの方法だと問題の難易度や道具の使い方の分岐もわかってくるため、本番でも効率よく・淀みなく問題に取り組めました。

3ステップを着実に進めよう

それでは、上記の方法について、具体的なスケジュールに当てはめて考えてみます。

今から分野をとりあえず1周し終えるとして、遅くとも10月の3週目ごろまでには必ず完遂しましょう。2ステップ目の期間の目安は1か月でしたので、11月中に完了できていると過去問や模試がなんとなく「わかる」ようになってくるはずです。あとはひたすら演習を重ねるだけ。週1ペースで過去問も解き、本番へのイメージを確認しましょう。2次試験本番まで(共通テストの勉強に1か月を割いたとしても)2か月あれば、十分に練習できるはずです。

ちなみに過去問は定期的に、自分の現状を確認するために用いると良いですよ。やみくもに何周もするのは過去問という資源の乱用であり、お勧めできません。11月までは多くても2週に過去問1年分ペースで、12月は1週に1回、共通テスト後は週1、2年分をちゃんとやることが大切です。

今回ご紹介したのはあくまで勉強法の一例ですが、私が知る東大生の中で「生きるのが上手いなあ」と感じる人は皆共通して言及していた方法です。私自身の経験に加えて、彼らの話のエッセンスを凝縮したのがこの記事でご紹介した方法になります。この「パターンを抜き出す」勉強だけして手を動かさなければ危ういですが、あなたもぜひ試してみつつ、自分なりにペース・割合を調整してみてくださいね。

東京大学|H.K

東京大学工学部在学中。入学年度は2019年度です。受験はもちろん、他のことにも通じる考え方・コツを伝えていきたいと考えております。

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