推薦を中心に入試で必要となる「小論文」。でも、どうやって対策したらいいのか困っている人も多いのでは。第2回は小論文を書くときに、うっかり書いてしまいがちな間違った表現や書き方の例を挙げておきます。課題を始める前に目を通して、しっかり押さえておいてください。
表記での注意
■ 熟語は漢字で書こう！
熟語の一部をひらがな書きしないようにしましょう。
熟語全体を漢字で書けないときは、別の表現に置き換えるのが望ましいでしょう。
×形がい化(形骸化) →○形式化
■ 文体は統一しよう！
「です・ます調」(敬体)と「だ・である調」(常体)が混在している小論文をよく目にします。文体は必ず統一しましょう。
小論文では、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」のほうが望ましいでしょう。
■ ケアレスミスはぜったいダメ！
誤字・脱字は減点の対象ですので注意しましょう。提出する前にも、誤字・脱字が無いか、しっかり確認しましょう。
×適格 →○的確 適確
×低抗 →○抵抗
×連形 →○連携
×完壁 →○完璧
×意織 →○意識
×初める →○始める
表現での注意
■ 「話し言葉」は避けよう！
小論文では「書きことば」を使い、「話しことば」や流行語などのラフな表現は避けましょう。
×とっても すごく →○非常に 大変
×～してる →○～している
×～みたいな →○～のような
×小論文とか書く →○小論文を書く
まじ うざいなどの言葉は使わない。
■ 敬称は入れない！
小論文では敬称は基本的に用いません。個人名を出す場合に必要であれば「氏」を付けましょう。
×お医者さん →○医師
×患者様 →○患者
■ 「ら抜き言葉」に注意！
「ら抜き言葉」は、まだ一般的用法とはいえないので、使用は避けたほうがよいでしょう。
×見れる →○見られる
×食べれる →○食べられる
■ 凝りすぎた表現は避けよう！
小論文では、次のような文学技巧的な表現は、なるべく使わないようにしましょう。
×体言止め 【例】青い空。白い雲。おだやかな心。
×倒置法 【例】私は考える、その判断は正しいと。
■ 呼応表現の使い方に注意！
「たぶん～だろう」のように、ある言葉を使うときに必ず決まった言葉・表現で受ける決まりがある場合があります。これを「呼応表現」と呼びます。
×全然(けっして)～だ。 →○全然(けっして)～しない。
「全然～」や「けっして～」は、「しない」など打ち消し語を呼応させて用いる。
×なぜなら～と思う。 →○なぜなら～と思うからだ。
「なぜなら」は、理由を説明するときに使う接続詞で、それに続く理由の部分は接続助詞の「から」や「ため」で結ぶ。
句読点の打ち方
■句点の打ち方
句点(。くてん)は、「文章の終わり」を意味する記号です。句点の打ち方がわからないという人は、あまりいないと思いますので、打ち忘れに注意すれば十分でしょう。
■読点の打ち方
読点(、とうてん)の、「文章中の区切り」を意味します。こちらの打ち方には悩む人が多いようです。
読み手に文意を正しく伝えるためのものですので、要は相手が読みやすいように打つ、ということに注意すればよいのです。具体的には、次のような場合があげられます。
長い主語のあと
【例】今後ますます加速すると思われる少子高齢化問題の解決は、今後の大きな課題である。
接続語のあと
【例】冷え込みは厳しかった。しかし、日差しは暖かい。
単語を複数並べるとき
【例】大学の入試方式には、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜がある。
場面・状況のあと
【例】自宅の庭では、アブラナが花を付けはじめた。
複数の解釈ができる文章で、解釈を限定させる
【例１】私は全速力で、逃げる犯人を追いかけた。 (←全速力なのは「私」)
【例２】私は、全速力で逃げる犯人を、追いかけた。 (←全速力なのは「犯人」)
段落分けの仕方
■ 段落とは何か?
段落とは、一定の意味のある文章のまとまりのことです。
小論文では、段落分けは、小説やエッセイなどとは違い、論理的構成をはっきりさせるという重要な役割を持っています。
段落分けは、基本的には内容的なまとまりごとに行うものなので、段落によって長い・短いがあって当然なのですが、一段落につき150字～200字くらいを分量的な目安にすると、書きやすいかもしれません。
■ 一般的な論理構成
文章を展開させるうえで、論理的な構成の形式としては「起承転結」という四段構成や、「序論・本論・結論」といった三段構成があります。起(または序論)で、問題提起をし、承・転(本論)で、問題の背景を掘り下げ(自説の根拠づけや反対意見への言及など)、結(結論)で自分の考えを述べる、というのが、一般的な流れです。
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