それぞれの時期に適した受験対策とは!?
受験生としての一年をスタートさせたみなさんは、新しい参考書や過去問を前に、各々自分なりの目標や学習計画を立てて一心に勉強に励んでいることと思います。しかしその計画、本当に適切ですか? 自分は現在、どのくらいのペースで勉強できているか、客観的に把握できていますか?
受験勉強には入試の試験日という「締め切り」があります。したがって、何としてもそこに間に合わせる必要があるわけです。そして、絶対的な締め切りが存在する以上、それぞれの時期に何をしているべきか、ということも自ずと定まってきます。
そこで、それぞれの時期ごとに、その時に対策しておきたい内容にはどんなものがあるのか、見てみましょう。
[春休み~6月] 受験の「土台作り」
科目ごとに既習・未習の部分があるはずです。既習部分については網羅的に復習を進め、苦手部分や知識の抜けなどをなくしていきましょう。
未習部分は、日々の学習とその予習・復習を徹底することで、学んだその時にしっかり理解し、苦手を作らないことを意識します。夏休みからは全力で受験勉強に取り組む時期に入っていくので、この時期は苦手な分野を残さないことが非常に重要になります。
[7~8月]「基礎力」を完成させる
夏になると共通テストや大学ごとの模擬試験 (〇〇オープン、〇〇実戦、〇〇プレ) などが始まり、いよいよ受験の緊張感が高まってきます。模試については、点数や判定に対して一喜一憂せず、自分の実力の把握と苦手分野の発見のために利用しましょう。ここで把握したことを踏まえ、夏の対策学習を行います。
夏休みは各科目の基礎力を完成させたい時期です。そのため、今までに学んだことの復習に力を入れてください。また、基礎力にある程度自信が持てる科目に関しては、共通テストや志望大学の過去問を解いてみて、大学入試の出題形式や範囲を肌で感じましょう。
夏の段階では、まだ模試の結果が思わしくなかったり、過去問が難しく感じられたりするかもしれませんが、焦り過ぎは禁物です。模試や過去問で発見できた自分の弱点を克服することを目指し、夏の勉強の目的である「基礎力の完成」に取り組んでください。
[9~12月] 問題演習で「実戦力」を養成
過去問演習で理解の弱い部分を発見して、その都度確認して完成度を高め、入試で得点するための実戦力を身につけていく時期です。第一志望に限らず、出願予定の他大学の過去問も解いて、さまざまな角度からの出題に慣れましょう。
また、大学入学共通テストを受ける人は、12月は直前対策をすべき時期でもあります。解答時間の設定は、本年も厳しいことが予想されるので、センター試験の過去問や共通テスト初年度の問題、予想問題集を利用して、実際の解答時間を意識しながら対策しましょう。
この時期になると、学校のカリキュラムと自分の受験とのミスマッチを感じて、学校の授業を休んで勉強を進めたほうが実力がつくのではないかと考える人が一定数現れます。しかし、自分だけでの勉強は、客観性が不足しがちなため効率やバランスが悪くなる、規制がなくなるため生活リズムが崩れるというリスクも存在します。可能な限り学校の授業を受験に活用することを心がけましょう。
[1月(共通テスト後)] 直前の総仕上げ
共通テストはほとんどの人にとって単なる通過点のはずですが、受験後のちょっとした達成感から勉強のペースを落としてしまう受験生がいます。ここで気を抜いてはいけません。すぐ国公立大学の二次試験や私立大学の一般選抜の対策を行ってください。
試験日まで近いため、この時期に知識の再確認・再構築を行うと記憶に残りやすく、非常に有効です。
あまり時間の残されていない高3生は、計画を大規模に修正するということが難しく、受験勉強のペース配分が非常に重要になってきます。それぞれの時期に何をするべきかをしっかりと見極めて、失敗しない計画づくりを心がけてください。
学研プライム研究所スタッフ
学研プライムゼミをはじめとした映像教材を制作しています。難関大受験のための学習法をわかりやすく解説します。