共通テストのポイント
- ホーム
- 共通テストのポイント
大学入学共通テストとは?
2021年から大学入試制度が大きく変わります。
これまで行われてきた「大学入試センター試験」が廃止され、新たに「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が実施されます。
共通テストとは、各大学が独立行政法人大学入試センターと共同で実施する試験です。
これまで30年にわたり実施されてきた大学入試センター試験にかわる試験方式で、2021年に行われるのがはじめての試験になります。
国公立大学の一般受験者は、原則共通テストを受験します。また、多くの私立大学でも共通テストの成績を利用する「共通テスト利用方式」を設定しています。
大学進学を目標にしている受験生にとっては、この共通テスト対策は欠かせない重要な対策と言えるでしょう。
なぜ、共通テストへ変わるの?
なぜ、センター試験から共通テストという新たな大学入試の方式に変わるのでしょうか。
その理由の一つに社会の急速な変化があります。
IT化や国際化、AIなどの普及により人類の知見が急速に拡大していくこれからの世界では、単に知識を持っているだけでなく「知識を活用する思考力・判断力・表現力」「合意形成と協働のスキル」「コミュニケーションツールとして使える英語力」を身につけている人間が必要とされます。
小中高大と続く教育全体がその方向に舵を切るなら、当然、大学入試の制度や評価方法もそれに対応させなければなりません。そのことが共通テストを導入する大きな理由のひとつとされています。
共通テストの日程は?
2021年の共通テストの日程は3回に分かれています。
第1日程が2021年1月16日(土)と17日(日)で、第2日程が1月30日(土)と31日(日)です。
また、1月30日及び31日の追試験として、特例追試験が2月13日(土)と14日(日)に行われる予定となっています。
参考:独立行政法人大学入試センター 令和3年度試験 実施期日
センター試験と共通テストの違いは?
共通テストは難しくなる?
共通テストは、センター試験と比較して知識だけで解ける問題が減り、深い理解力や考察力、思考力が求められる問題が出題されると考えられています。
センター試験では平均得点率が60%となるように調整されていましたが、共通テストでは平均得点率が50%になるように設定されていて、新傾向の問題や読解量の増加等により、難化が見込まれています。
センター試験 | 共通テスト | |
---|---|---|
実施期間 | 1月中旬 | 1月中下旬 (特例追試験は2月中旬) |
教科・科目 | 6教科30科目 | 6教科30科目 |
形式 | マーク式 | マーク式 (複数選択肢の可能性大) |
試験時間 | 国語・英語筆記が80分 他は60分 (英語リスニングは30分) | 数学Ⅰ、Ⅰ・A60分→70分 他はセンター試験と同じ |
英語の配点比率 | リーディング:ライティング 1:4 | リーディング:ライティング 1:1 |
平均得点率 | 60%を想定 | 50%を想定 |
センター試験の大枠は引き継がれる
一方で、共通テストになってもセンター試験と変わらないことがあります。それは次のような点です。
- マーク式のペーパーテスト
- 6教科30科目を実施
- 各大学で試験結果の利用のしかたを指定
これをみると大きな枠組みは引き継がれることがわかります。
なお、共通テストは2025年の入試からは教科科目の簡素化や情報系の新科目導入等が検討されていますが、2021~2024年の4年間はこのかたちで実施されます。
複数資料の活用、択一でない選択式問題など新傾向も
共通テストの検証のため試行調査(プレテスト)が実施されました。
そこで使用された問題では、出題のしかた・内容・解答形式などにも新しい傾向が見られました。
どの教科・科目でも複数の資料を提示する問題が目立ち、そのなかには受験生にとって初見の図表などが含まれるケースも散見されました。
また、学習プロセスや課題解決を意識した内容の問題が出ています。
たとえば平成30年度試行調査の地理Bでは、文化祭の展示のために生活文化の多様性をみんなで考えるという設定の問題が出ました。
同じく数学Ⅰ・Aでは、二人の生徒が会話しながら相関係数について学ぶ場面がテーマとなっています。
マーク式の問題でも単純な択一ではなく、適切なものをすべて選ばせるなど知識の質が問われる工夫がなされています。
これらの影響で、多くの教科・科目で問題文の総量増加が注目されます。
共通テストで求められる力と対策法
基礎学力の重要性に変わりなし
共通テストの全体像がみえてきたところで、あらためてこのテストの対策としてどのような学習が必要かを考えてみましょう。
思考判断型問題やその他の新傾向の問題でも、正解や最適解を導くもとになるのが確かな基礎学力であることはこれまでと変わりません。
変更点に惑わされて基礎学力の習得をおろそかにしないようにしましょう。
文部科学省も、学力の3要素のトップに知識を挙げています。
学力の3要素とは、学校教育法において規定されている、3つの要素のことです。
- 知識・技能
- 思考力・判断力・表現力
- 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
ここでいう基礎学力とは、暗記力に頼った知識量ではなく、たとえば歴史なら背景や因果関係、数学なら公式の意味の完全な理解の積み重ねを指します。
必要なのは応用可能な知識の基盤なのです。
資料・図表からすばやく必要な情報を読み取る力
共通テストでは、複数の図表や資料を提示する問題が多く、それらから必要な情報をすばやく読み取る力は必須といえます。
通常の学習のなかで、教科書の注や資料掲載ページ、あるいは資料集などを丁寧にみて内容を把握する習慣をもちましょう。
理科では、実験やグラフの作成を主体的に行うことで必要な経験値が蓄積されます。
国語では、複数の文章から必要な情報を的確に読み取る演習をしておきたいところです。
従来、読解という言葉は多くの場合「精読」の意味で使われてきましたが、共通テストでは精読とともに、文章の性格や読み取るべき情報に合わせてスピーディーに読むスキルも必要になります。
科目別共通テストのポイント
科目別の共通テストのポイントについては、下記のページからご覧いただけます。